遠くに嫁ぐことの大変さと心構え、嫁ぎ先で武器となったスキルとは?
夫の地元に引越して1年がたちました。
長男の嫁の大変さを知らず、親世代が同居で苦労するところも見ないで育った私は、実家から遠方に嫁ぐという現実の過酷さを知りました。
慣れるまでは涙を流す日々、でも多くの試練を乗り越えた1年だったとも言えます。
実際に1年過ごしてみて感じた、遠くへ嫁ぐことへの不安や孤独と向き合う方法、乗り越え方、嫁ぎ先で自分を助けてくれたスキルについてまとめました。
遠くへ嫁ぐことは親不孝かな?と悩むあなたに、伝えたい思いがあります。
- 遠くに嫁ぐとまわりの人が話す訛りから孤独感を感じる
- 遠くに嫁ぐと子育ても大変!自分の実家に甘えられない苦労
- 遠くに嫁ぐなら自分の得意なことを磨いておく!そこから輪を広めていく
- 遠くへ嫁いでもっとも武器となったスキルは『料理』だった!
- 遠くへ嫁ぐことは親不孝じゃない
- みんなから愛されるお嫁さんを目指さなくても良い!自然体が一番
遠くに嫁ぐとまわりの人が話す訛りから孤独感を感じる
引っ越してきて最初の頃は、出会う人出会う人、見事に言葉が訛っていて、イントネーションの違いから孤独感を感じていました。
みんなずっと地元で生きて親のそばにいるのに私だけ遠くへお嫁に来てしまった…という寂しさを感じている頃、変な宗教の勧誘に引っかかり「あなたは遠くにへ嫁いで親不幸だ」と言われたことも…
夫とは10数年間一緒に名古屋にいましたが、彼は出会った時から愛知に染まることなく独自の訛りはずっと健在。
聞き慣れていたつもりでしたが、地元へ帰ることで訛の純度が増したような感じでした。
自分の隣で1人だけ訛っていた環境と自分以外全員が訛っている環境は思っていた以上に違い、自分だけが「県外から来た人」と強調されている気分でした。
※勿論私も独特に訛っていて、地域によって訛り方が違うということ
私は大学生活からずっと一人暮らしをしていたし中国へも留学しており、環境適応力はあるつもりだったので、この言葉の壁は自分でも不思議でした。
しかし、引っ越してきて1年、ふと、自分も少しイントネーションが変わってきていることに気がつきました。
言葉を学ぶ=文化を学ぶ、方言を身につけることで仲間意識は強まる
言葉というものは不思議なもので、「通じ合える」「同じ言語を話す」というだけで仲間意識が生まれます。
中国へ留学していた時も日本人の私が中国語を話すと必ず歓迎され、自分たちの言葉を学んでくれて嬉しいと言われたことがあります。
言葉を学ぶということはその土地の文化を学ぶことと同じ。これは日本国内での方言に関しても同じことが言えるのかもしれません。
私が「おちょきんってなに?(正座のこと)」とか、「おっとっけ?」と聞き返すと皆親切に力説してくれます。やはりこの土地に慣れよう、この土地の言葉を知ろうとしているその姿勢が相手も嬉しいのだと思います。
私の伯母は愛知から熊本へ嫁ぎ、実家に帰ってきてもバリバリの九州弁で何を言っているかわからないほど。
とても明るく悩みなどなさそうな伯母ですが、完璧な熊本弁は生きるための苦労だったのだと今ならわかります。
そんな伯母も本当に慣れるのに10年かかったと言っています。
方言に慣れること、自分も同じように話すことは自分から輪に入っていく一つの方法です。
大丈夫、意識しなくても自然と話し方は似てきます。なんか私もなまってきましたから。
遠くに嫁ぐと子育ても大変!自分の実家に甘えられない苦労
初めての子育てはわからないことだらけなのに土地勘がないというのは苦労します。
引越し早々子どもが転んで頭を打ち、泣きながら小児救急電話(♯8000)を利用しました。
救急車を呼ぶほどではなさそう、でもかかりつけの病院もまだない、病院の場所も何もリサーチ出来ていない時で土地勘なし、夫は県外で不在という状況でした。
有事の際でなくとも、実家が近ければ息抜きに寄ったり一緒に出かけたり自分が助かるだけでなく孫の顔も見せることができて親孝行なのに…と思うことは何度もありました。
夫はほぼ休みなく土日も不在、義父は義母の介護、私は一人で子育てする他ありません。
子供が熱を出した時は自分まで倒れたらと不安でしたが、幸いこの一年私は風邪で寝込むことなく過ごせました。
手洗いうがいと、風邪のひきはじめにはしっかりとビタミンCをとる!野菜多めの食事がポイントだったなと思います。
よく、スープの冷めない距離という言葉を聞きますが、これは子供が産まれたらまさにその通り。遠くへ嫁ぐのなら甘えられる人が近くにいない分、自分の健康管理はかなり大事です。
そして夜間や祝日、子供の急な熱など何かあれば#8000!
これは厚生労働省の小児救急電話相談事業といって全国同一の電話番号。
お住いの地区の相談窓口に自動転送される仕組みです。嫁いだばかりで土地勘がなくてもとりあえずこの番号を知っておけば大丈夫。
とにかく外へ出てみると何か新しい出会いがある!
実家に頼れない、子育てのことを相談したり甘えられる人がいない…と落ち込んでいても仕方ありません。
この一年とにかく散歩でもなんでも外へ出かけることを意識しました。
子連れに良いお出かけ先を知ることが出来たり、習い事の体験へ出かけたりして情報を交換したり、子連れでのおでかけは大変ですが得られるメリットは大!
そして、外へでることで自分も街の情報に詳しくなっていき行動にも選択肢が増えて楽しくなっていきます。
でも実は、外へ出ることを意識していたのは、子供と部屋で2人きりでは本当に息が詰まりそうだったからというのがきっかけです。
毎日子供と外へ、公園へ!なんて聞こえは良いけれど、意識高い系ママなんてものじゃなく体力が有り余る子供は外へ遊びに連れて言った方がママも楽だったりするんですよね。
息子がわんぱくざかりなこともあり、家にいる時間が長ければ長いほど家のあちこちを散らかされて部屋が荒れていくことに耐えられず、外に助けを求めざるを得ない感じでした。
でも助けを求めて外へ出てみたことで街の事を知れたりたまたま良い出会いがあったことを考えると、知らない街だからこそ出てみて良かったと思うのです。
今日はあの公園にいってみよう、今日はここでケーキを食べようなど、小さな楽しみを見つけることで子育て中の自分の息抜きスポットを見つけることもできました。
実家に頼れないからこそマイペースに、自分のペースで子育てできると考えれば新しい環境も楽しいものに変わります。
そして自分の親が遊びに来てくれた時にいつもの感じで街を案内できると『この土地でうまくやっているんだな』と親も安心します。
遠くへ嫁ぐことは寂しさもありますが、どこにいても子供が幸せなら親はそれだけで嬉しいもの。遠くへ嫁いで親不孝だな…と考える前に、いかにその土地で楽しく過ごしていくか自分の幸せを考えましょう。
遠方に嫁ぐ場合、親や友達が遊びに来てくれた際のホテルの確保は必須。
立地や値段など気軽に泊まれそうなホテルを知っておくと、来てもらうハードルが下がりますよ。
遠くに嫁ぐなら自分の得意なことを磨いておく!そこから輪を広めていく
遠くへ嫁ぐと、学生時代の友人や、職場の人など自分に関わってきた人たちとは簡単に会えなくなります。
仕事も辞めなければならなかったり、一気に自分の周りのものが変化します。
だからこそ、趣味でも何でも自分の世界を持っていると心強いものです。
結婚することで変化する生活環境や人付き合いなどは、時に自分の力では何ともできないこともあり、ひたすら耐えなければならない場面も出てきます。
仕事でも趣味でも良いので、これだけは私のもの!と言えるものを持っていると自分の軸となり多くのことが変化してもブレずにいることができます。
私は趣味だったネイルを仕事が出来るレベルにまで持っていこうと資格をとって孤独な環境にそなえました。
趣味として続けても良いし、田舎なので自分で仕事を作る必要もあると考えていました。
この決断は大正解で、今でも息子が寝た後に自分のネイルを奇麗にすることは良い息抜きになっています。
子育て中は美容院やネイルサロンへ行くのは大変。ましてや見知らぬ土地で自分と合いそうなお店を見つけるのもなかなか時間がかかるもの。私の場合は自分でいつでもネイルチェンジ出来ることが自分の精神安定剤として良い捌け口になっています。
もともとネイルサロンをオープンすることで見知らぬ土地での自分の居場所づくり、人脈づくりのもとになればと考えていたので、今後も自分の世界を広げていくつもりです。
もし遠くへ嫁ぐ可能性があるのなら自分磨きの一つとして資格をとったり趣味を極めて自分の世界を持っておくことをお勧めします。
手に職となりそうなものなら尚更良いです。
自分で稼ぐ手段を1つ持っておく、経済的に自立していることはとても心強いですよね。
私はまだ経済的自立の域には達していませんが、ネイルで目指したいと考えています。
手に職や趣味をもつことは変わらない自分の味方として精神的にも助けてくれる心強い存在となりますよ。
遠くへ嫁いでもっとも武器となったスキルは『料理』だった!
親戚や従兄弟も集まる夫の親族の集まりって私いつもアウェイ感を感じてる。でもこの前葬儀の後に出汁をとった昆布で佃煮を作ったらめちゃくちゃ好評でめちゃくちゃ嬉しかった。一気にホームになった。だからお正月も少し腕を振るおうと人参の飾り切りを練習してみた。これは今日の筑前煮に入ります。 pic.twitter.com/7H4sLwMaWo
— なっちゃん🌼子育て&ブログ (@natsuki_riho) 2017年12月6日
ネイルは興味のある人やサロンに通う人が限られますが、誰でも心を開き、認められやすいのが料理です。
美味しいは正義!手作りで美味しい料理が作れると老若男女問わず嫁ぎ先でのポイントはかなり高くなります。
買ってきたお惣菜でも盛り付けにはこだわってみたり、食への意識が高いとそこから会話のきっかけともなります。私は盛り付け方はこの本を愛読。
この本の著者、高木ゑみさんのアイディアは真似しやすく、セルクルという道具を使ってちらし寿司を盛り付けてみたり、
セルクルを使って型抜きすればポテトサラダもおしゃれ料理に見えます。
セルクルはポテトサラダやパテ、ごはんものなどをレストラン風に盛り付けるのに便利。
毎日凝った料理なんて作れないし、お惣菜を活用することもありますが、買ってきたままトレーで食べるより、お皿に奇麗に盛り付けるだけで食卓が豊かになりますよね。
セルクルは直径5㎝から10㎝で大・中・小と揃えておくと買ってきたものでも普通の料理がかっこ良く変身するのでめちゃくちゃ便利です。
高木ゑみさんは他にも料理がしたくなる本を出されていて私の大好きな料理人さん。
料理は毎日のことなので少しでも美味しく楽しく、工夫出来ると良いですよね。
特に田舎の長男に嫁ぐと親戚で集まる機会はかなり多く、人が集まるお盆とお正月だけでも料理の腕を振るうと自然と居場所がつくれます。
胃袋をつかむことは、自分の立場を確保できるだけでなく、自然と会話のきっかけもうまれ輪の中へ入っていくきっかけができます。
料理は女がするものというわけではありませんが、嫁ぐということは圧倒的にアウェイ。
夫の兄弟は結婚していないので、他所の家族にいきなり自分だけ他人が入る感じ、なかなか馴染むのは難しいです。
人が集まる時だけでも会話のきっかけとして、また一目おかれるスキルとして料理の腕を磨いておくこと、知識をつけておくことは、無理なく居場所づくりすることにもつながります。
慣れない生活環境にストレスを感じることもありますが、食は生きることの基本、料理の基礎や栄養面などの知識があることは自分にとっても一生の宝となるんですよね。
私が料理の凄さを感じたのは、70代で一人暮らしをする母の知り合いに感化されてのことでした。
高齢で一人暮らしの彼女の周りにはいつも人が耐えなくていつも美味しい料理が用意されているんです。
本当に上手に胃袋を掴んでいて、いつお邪魔してもすぐに美味しい料理が出てくるステキな女性なのですが、電球の交換や庭の草取りなどちょっとしたことを周りに頼りつつ美味しい料理でお返しするという関係が成り立っていて、高齢者の一人暮らし感は全くなく、料理の腕も生きる知恵なんだと感じました。
そして料理に気を使っているので本人もすこぶる元気、健康なんです。
だからこそ私も結婚前に料理教室に2つ通いました。
一つはマンツーマンで教えてくれる教室で全行程を自分で行えるので身に着くスピードの違いを感じます。
そしてマンツーマンだと「外で食べるお弁当を用意したい」「親戚をもてなす料理」など自分の状況に合わせて様々なアイディアを教えてもらえたのが今となっては役立っています。
料理は基礎を学んでおけばあとは慣れるのみ、一生使えるスキルとして自分の財産になることを思えばしっかり習わない理由は見つかりません。
一流の料理人からマンツーマンで学べる『コミット型クッキングスタジオ』としてオープンした【RIZAP COOK】 では、低糖質食の知識も身につけることができ、家族のためだけでなく自分の健康にもずっと役立ちます。
私は結婚前から料理は好きな方でしたが、家庭によって味付けが違ったりおふくろの味とやらがあったり、いくら料理が好き・得意!と言ってもなかなか伝わるものではありません。
百聞は一見にしかず、一度しっかりとした料理の腕を振るえば親戚一同黙らせることができます^^
朝ご飯何食べさせてきたの?とかいつもどんな料理してるの?ということは嫌みでなくとも親戚に一人は必ず聞いてくる人いますから。
これはどんなにネイル技術を極めてもなせない技。
生きることの基本、「食」だからこそ、老若男女問わず全員の胃袋を掴むチャンス!
遠方でなくとも嫁ぐ前の心構えとして料理のスキルを磨くこと、いつでも本気を出せるように知識をつけておくことは強くお勧めします。
遠くへ嫁ぐことは親不孝じゃない
遠くへ嫁ぐことで自分の親の介護や最後に間に合わなかったらと結婚前は悩むものがありました。
でも、『子供に世話はかけたくないの、自分の幸せを考えてほしい』という親の想いに、どこにいても私が幸せでいることが大事なんだと感じました。
遠くへ嫁いだことで慣れない雪景色や雪道の運転など生まれ育った環境と違いすぎて自分が苦労することもありましたが、そのたくましく生きていく姿が親を安心させます。
地元で結婚していたら経験できなかったこともいっぱい。
地方によって文化や習慣は同じ日本といえど違うこともあり、『あなたが遠くへ嫁ぐことで色んな事を勉強させてもらっているわ』という母親の言葉も自分の選択を応援してくれているような気持ちになりました。
嫁ぎ先とお互いの地方の特産品を贈りあったり、考え方によってはいくらでも楽しくなります。
私の子どもにとっても遠方におばあちゃんがいることはメリット。広い視野を持つことができます。
みんなから愛されるお嫁さんを目指さなくても良い!自然体が一番
遠くへ嫁ぐということは圧倒的にアウェイです。
でもこれは仕方のないこと。
親戚一同や近所の方々、みんなに認めてもらおうと愛されるお嫁さんになろうといつもニコニコしている必要はありません。
所変われば品変わる、地方や地域によって「当たり前」はいくらでも変わります。
その土地の方言や風習を学ぼうとする姿勢は大事ですが、いつも周りに合わせようと頑張りすぎると疲れてしまいます。
嫁ぎ先に言われるがままでなくとも、納得いかないこと、わからないことは無理に合わせなくても大丈夫。
長い結婚生活、いくら表面上は笑顔でいても本音でぶつからないと身体は持ちません。
遠くへ嫁ぎ新しい環境だからこそ、ストレスを溜めずに自然体でいることが大事なのです。
自分の生まれ育った故郷や風習、考え方も含めて自分自身。
結婚によって全てを変えなければいけないことはなく、お互いを尊重し合うことが嫁ぎ先でうまくやっていくコツです。
だからこそ時には自分の考えを主張してOK!
最初はアウェイな立ち位置でも自分をしっかりと持っていつも堂々としていれば周りにも認められていきます。
子育てや目の前のことにいつも全力で生きていれば自然と信用は集まるもの。
1年過ごしたと言ってもまだまだ慣れないことは多く、身内の集まりというのも毎回構えてしまいますが、何か料理を作っていくことで自分自身が楽しくなれたりします。
国内外どこへ嫁いでも自然体で、美味しい食卓を囲んで笑顔で言いたいことを言う!たくましく生きていきましょう!
美味しいは正義。
いつも愛想良くしていようと意識しなくても自然と笑顔になれますよ。